HOMEステンレス板金加工ノウハウ集材曲げ加工のポイント (1)曲げキズ防止、角度出しの精度
曲げ加工は、板金を台に載せ、ヤゲン等の金型を押し当てることで行われるものです。この際、金型により製品表面にキズがついてしまうことがあります。
後に塗装工程を経るものや、構造材等として使われるものであれば特に問題ではありませんが、医療機器や厨房機器等、清潔さの求められる製品にとっては、大きな問題となることがあります。
曲げ加工において、板厚や材料、工程により差はありますが、部品材料を曲げても図面上の寸法が出ず、精度がでないため曲げた部品同士の嵌め合いがくなり、製品の品質に影響を及ぼす場合も生じます。
こうした影響は、アセンブリ段階で部品が合わないことや、最終製品の使用中にあらわれる欠陥に繋がるなど、無視できないものになります。
曲げキズは、直接ヤゲンが板金に触れることで発生します。
こうした問題を未然に防ぐためには、直接板金に触れないよう、保護シートがつけられた状態で曲げ加工を行うことが挙げられます。
もちろん、精度面に影響が出ないよう、0.03mm程度の、薄い保護シートを使用します。
曲げ加工の際、角度出しについては材質や板厚、またその曲げ形状に応じて、その伸びやひずみ、応力をシミュレーションすることにより、加工の精度を高めることができます。
この精度出しの過程は職人の技術の成熟に拠る部分が大きく、この過程をいかにスピーディーに行うかが加工全体のスピードに大きく影響します。