代表的なものはSUS 430の18クロム系のステンレスです。このグループのステンレスは熱処理により硬化することがほとんどなく、焼なまし(軟質)状態で使用されます。
また、マルテンサイト系ステンレスより成形加工性および耐食性が優れており、溶接性も比較的良好であるため、一般耐食用として広く用いられています。例えば厨房用品、建築内装、自動車部品、ガス・電気器具部品などで、主に薄板および線の形で使用されています。
近年、製錬技術の進歩によって容易に低炭素にすることができるようになったため、SUS430LX、SUS430J1Lなどの耐食性、成形加工性のより優れた鋼種が豊富になりました。
さらに、極低炭素・窒素としたSUS444、SUS447J1、SUSXM27クラスのいわゆる高純度フェライトステンレスは、耐食性が一段と優れており、また塩化物応力腐食割れを起こしにくいため、温水機器や化学プラントなどにも用途が広がっています。