スポット溶接シリーズ その7
*チップのドレッシングを数回に1回行う。
メッキ鋼板等のスポットではチップにメッキが付着し、適切な電流が流れなくなるだけでなく、
表面が荒れ、必要な冷却を行えず「熱的平衡に至る」過程に影響を及ぼす為に行う作業です。
*チップによりナゲットの形成の違い
R型はまず小さな径のナゲットが出来、通電時間と共に拡大する。
C型(平ら)では比較的ナゲット径が大きく時間での変化は少ない。
ポット溶接シリーズ その6です。
加圧設定
約0.1秒~0.2秒(4~10サイクル)で発熱、一気に1500℃くらいまで上昇し上下チップ方向に動こうとする溶融部分を加圧し押さえ込みます。
押さえ込めない場合(加圧力不足)"ちり"が発生し飛散します。
本来ナゲットを形成する為の金属が飛び出してしまうとナゲット径、密度等にも影響が及ぼし、十分な結合力を得られなくなります。
ですがごく少量の"ちり"はよい溶融の目安にもなります。
過度な加圧はくぼみ径を大きくするだけであり適切なバランスが必要であります。
スポット溶接シリーズ その5です。
日常の作業で多いのがこれ。
上から下にチップを通って流れなければいけない電流が、
他の箇所と物理的に接触してしまっている為に電流が他からも流れてしまって、
チップ部分に必要な電流が流れない事。
対策としてアームやチップに当たってしまう所に絶縁テープなどを巻くこと。
糊が付いているテープは熱で溶け気味になってしまう為、
シリコン系のテープが良く使われます。(水止め用のシールテープなど)
ここでスポット溶接作業の4大条件①電流②加圧③通電時間④電極(チップ)があります。
それぞれのバランスが大事ですので基本的な知識とデータ取り、試験が重要となります。
スポット溶接 その4
隣接するスポット打点位置の場合、
1打点目の溶融に2打点に集中して流れなければいけない電流が分かれてしまい(1打点目に)、
必要な溶け込みが起こらない事があります。
強度の観点からスポット箇所を多く設ける設計者の方もいらっしゃいますが、
打点数=強度とも限らない場合があります。
いわゆる精密板金では適度なバランスが重要かとも思います。
板厚1.0~2.0でピッチ20ミリを切る場合は分流が起きています。
その対応として、1打点目と2打点目の電流値を変え、
(2打点目を20%~30%あげる)作業を事が必要となります。
たがね試験等で明らかな差が出ます。